ドライアイに関連する疾患として、結膜弛緩症があります。
これは、加齢に伴う皮膚にできる『皺』の結膜版のようで、年をとれば、皮膚も緩むし結膜も緩むのです。ただ、この緩んだ結膜は、下眼瞼と角膜が作る部位を占拠する。当然眼表面の涙液量はこの部位に殆ど存在するので、涙液貯留量は低下する。この疾患のポイントのひとつは、涙液貯留量が減少することである。もうひとうは、開瞼に伴う、涙液の角膜表面への分布障害である。 結膜に占拠されて涙液貯留スペースは少ないので、涙液分泌量が保たれている場合、間歇的な流涙の原因にもなるし、涙液分泌量が少ない場合、ドライアイを悪化させる。また、機械的な作用(瞬目に伴う摩擦)による炎症も引き起こしているらしい(結膜下出血の原因にもなる)。 私の印象では、この結膜弛緩は、非常に多いものの、その程度の強さに応じて自覚症状が強いという印象があまりないのだが、これに手術をするというのである。 治療としては、 1、炎症に対しては、ステロイド点眼、NSAID点眼 2、ドライアイに対しては、ヒアルロン酸点眼、人工涙液点眼 3、流涙に対しては、NSAID点眼 を試みて・・・・、それでも、非常に強い愁訴が続く場合、手術の適応と考えるらしい。 この手術方法には、二つの異なるアプローチがあり、有名なのは、横井先生の方法で、要するに、余っている結膜を切除する方法で、細かな修正が加わり、完成の域に達したようである。もうひとつの方法だが、結膜は、球結膜と瞼結膜があり、この二つは、結膜円蓋部で連続しているが、この部分が浮き上がることで、結膜が緩んできているので、この円蓋部近くの結膜を眼球に固定する(anchoring suture)術式である。全く、アプローチが異なるが、後者の方が、理にかなっているような・・・・
by takkenm3
| 2006-02-13 13:31
| 医療情報(角膜)
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